PCRフリース

廃品ペットボトルからフリースが作られ、ウエアが生まれる

パタゴニアは企業として初めて、リサイクル繊維を採用したウエアを製造した。他社もこれに続いたが、今日では、ほとんどのアウトドアの会社は、原油から作るバージンフリースに戻ってしまった。

フリースってなんでしょうか。一般の辞書の定義は「羊のコートのようにふかふかして・・・」と、きわめて単純です。環境問題の観点からのフリースの定義は「化学繊維の一種・・・」と、なかなか複雑な面を持っていますが。フカフカの毛、耐久性、ファッショナブルといえば、そうかもしれませんが、市販のほとんどのフリース製品の原料は、原油です。つまり、多量の原油が消費されています。
私たちは原油の抽出と精製が環境に及ぼす影響の大きさをリサーチによって知ったとき、フリースの代用品を見つける決心をしました。そしてペットボトルを見つけだしたのです。
革新的な技術により、2リットルのペットボトルはリサイクルされ、糸が紡ぎ出され、パタゴニアオリジナルのシンチラフリースとして再生します。またシンチラは、環境への配慮だけでなく、パタゴニアの厳しい品質基準もクリアしています。

1993年、パタゴニアは企業としては初めて、消費者から回収/リサイクルした(Post consumer recycle:PCR)

フリースを採用した製品を作り始めました。その後、他社もリサイクル・フリースを使用するようになりました。しかし、残念な事に、ほとんどの会社はメディアが興味を持たなくなってくると、元のバージンフリースに切り替えてしまいました。他社が興味を失い、使用を中止する中でパタゴニアは着々とリサイクル繊維への信頼を深めていきました。
理由ははっきりしています。回収/リサイクルされた2リットルのペットボトル3,700本から、150枚以上のシンチラ製品が出来、これは42ガロンの原油の節約、製造工程における0.5トンの有毒ガスの排出を防ぐことになるからです。

私たちは何百本ものプラスチック製ペットボトルを埋め立て地から救い、バージンフリースを作るために使用される何千ガロンもの原油を節約しました。
PCRフリースの採用から1年後、私たちは廃品フリースを回収し、リサイクルする、アウトドアウエア会社の設立に尽力しました。組合は、廃物フリースを切り刻み、プラスチックのリサイクル業者に販売する新ビジネスを見つけだしました。廃品フリースはさらに細かく切断され、ぬいぐるみなどの詰め物、車の防音材、枕の中身などに利用されます。また、溶かされてポリエステルの粒子となり、他の製品の原料にもなります。

私たちはプロジェクトを始めてから5カ月間で、埋め立て地から160トンの廃棄物を救い出したのです。

その量は、面積1.5エーカー、深さ2フィートの埋め立て地に相当します。
1998年には、私たちは裁断室の床に捨てられる生地の量を減らす、新しい方法を見つけました、コンセプトは「プリサイクル」(前もってリサイクルする)で、大人用のウエアの型紙をおいた後に残る、様々な形のハギレを利用して新生児の服を作り出すものです。
全て再生材を利用したウエアの完成に達してはいませんが、私たちは着実に近づいています。これからも完成を目指し、再生品からウエアを作り続けていきます。そして、なかなか捨てられない、丈夫で愛着のもてる製品を作っていきます。

パタゴニアの新生児用ウエア、”シードリング”は、大人用ウエアの余り布から作られる。



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