Swift water Rescue TechnicianT

今まで述べてきたことを通じて、急流には危険が存在すること、そしてその危険な罠に運悪く捕まってしまった場合、そこから逃れるためには、危険で困難な過程を経なければならないことや、急流救助独特の専門的な知識がないと、かえって事態を悪化させる結果にならないとも限らないことも少しはおわかりいただけたかと思います。
幸い日本でも急流救助の専門的トレーニングをする団体『Rescue 3 Japan』が1995年の秋より活動を開始しています。私も1996年5月に講習を受けたのですが、急流救助の専門分野の歴史はまだまだ浅く、常に改善が加えられており、その進歩に合わせて認定を受けたSRT(Swiftwater Rescue Technician= 急流救助専門員)も、常に最新のレベルを維持していく必要性から、2年の更新期間が定められ、今年が更新の年に当たるのでリフレッシュ講習を受講してきました。
簡単ですがRescue3 SRTの訓練内容をレポートします、Rescue3 SRTは何かということそして、その必要性と有効性を少しでもご理解いただき、受講してみようという方がお一人でも増えることが願いです。

1日目 机上講習

8:30講習スタート
本日は終日机上講習、最初にチーフインストラクターのHIROさんから、3日間を通じてのスケジュールや注意事項の説明を受けて、今回の受講者の自己紹介、今回は私を含めて10名、内6名がリフレッシュ講習者である。
本日の内容は、リバーレスキューに関しての基本的な認識、レスキューチームの組織、川の流体科学、遭難者の心理とサバイバル、レスキュー・ギアの説明とロープワークなどを、迫力満点のビデオを交えながらの講習となる。眠たい目を必死に開けながら(^_^;)みなさん真剣に聞き入っている。
夜は特別講習として、メディカル・ケアについて1時間の補講がくまれる。

2日目 メカニカル・アドバンテージ

午前中は屋外にてメカニカル・アドバンテージ(ロープ、プーリー、カラビナなどを使って力を倍力する方法)の実技訓練。
Z-Drag及びPig-Rigのシステム構成、メカニカル・アドバンテージを運用する上での危険性、注意点についてみっちり習う。

スイミング法
ロープレスキュー
テンション・ダイヤゴナル

午後いよいよトレーニング期間を通じて一番過酷で、スリルにとんだスイミング法の実習である。一昨日の雨による増水の濁りはとれているが普段より幾分多めの水量の中を、長良川の三段の瀬を対岸まで横断するトレーニング、さらに流されている人を救助して岸まで連れてくる最も過酷なトレーニングと進む。
(1回目の講習の時には、マジでこんなところを泳ぐの!!!!と思ったものだ)
さらにスロー・バッグを使ったレスキュー、午前中に習ったばかりのメカニカル・アドバンテージを応用して、川を横断若しくは流されてくる人を救助する方法(テンション・ダイヤゴナル)をチームを組織して実施する。
(1回目の講習の時は、流れの速さに緊張してしまい、真剣に泳いでしまったためにひどく疲れたが、今回はリラックスし流れに逆らうことなく、流れの力を利用することを覚えたので、さほど疲れも感じなかった、やはり経験を積むということがいかに大切かを実感しました)
本日も夕食後は明日の実技についての、組織や方法についての課題が出されていたので、チーム・ミーティングを行い、すっかりレスキュー漬けの1日でした。

3日目 ストレーナー越え

2ポイント&4ポイント・サポート
によるレスキュー・システム

フットエントラップメント・
レスキュー

頸椎損傷者のレスキュー

ハイライン・チロリアン

昨夜からの雨が・・・・朝起きたときには風も加わり嵐と化している・・・イ ンストラクターが講習場所の下見に出かけたが予定していた場所が水没してし まって使えないので予定変更。午前中は天候の回復を待ち屋内で本日のプログ ラムの説明部分をすまして、午後現場に出てすぐ行動に掛かれるようにする。

実地講習場所「ふれあい広場」に移動する車中から見る長良川は・・・濁流そ のもの!!!!!絶対にこんなところで流されたくないと思う。

本日の第1プログラム・・・ストレーナー越え 倒木などが水面に横たわっていた場合それに捕まらない為の方法を実際に体験 する。(一番良いのはストレーナーを発見した場合とにかくそれに近づかない ように最大限度力をして回避することです、でも回避しきれなかった場合の対 処法を習う)
本来なら本流で行うのですが、あまりにも水量が多すぎて出来ないので、支流 の粥川で行う、と言ってもかなりの増水、そしてトレーニングポイントからわ ずか20〜30mほどで本流に合流、真茶色の濁流がいやでも目に入ってくる、も し流されて本流に出てしまったらと思うと・・・みんな一様に緊張の面もちで した。

ストレーナー越えそのものは前にも体験しているので、そんなに不安ではない けど、実際に捕まってしまったことを想定してのプログラムは、訓練といえど も水の圧力のものすごさと怖さを改めて思い知らされる。

その後フットエントラップメント(水中の岩などに足を挟まれて動けなくな り、しかも水圧で立っていることが出来なくなり、顔が水面に没し呼吸もでき なくなる恐れのある非常に危険な状態)の状態の遭難者の救出法を陸上講習.
一段落して休憩時間中にハプニング発生、 ピー、ピー、ピー    ピー、ピー、ピー  ピー、ピー、ピー   とホイッスルの音「ピー、ピー、ピー」の連続は緊急事態発生SOSの合図、 何事かとみんなでホイッスルの音の方へ駆けつけると、ホイッスルを吹いてい たのはアシスタントインストラクター、そしてチーフインストラクターがフッ トエントラップメントの状態で岸から3mほどのかなり速い流れの中に倒れて いる、背中から頭にかけて水が乗り越えて呼吸もできているのかどうか分から ない。

(今やったばかりであまりにもタイミングが良すぎるので、内心多分これは講 習の中の一つのプログラムだろうと言う気持ちはあるが、)状況からして本当 のことかもしれないとみんなに緊張の色が走る。
早速訓練を受けたばかりのことを実践して、救出活動に移る、でももしかして 本当の事故かもしれないと思うと、時間が気になり、さらにみんなあわてて駆 けつけたので、装備も(スローバッグだけはさすがにほとんどの受講生が手に していたが)不十分なため、思うようにいかない、ロープを使って何とかビク テム(遭難者)を救出。 自分は対岸にわたっていたので、ビクテムを岸に引き上げても立ち上がる様子 が無く横たわったままの姿しか見えないので、一瞬本当の事故かという思いが 頭をよぎる。しばらくしてやっと立ち上がったのでやれやれ一安心。 やっぱり訓練だったわけであるが、ホイッスルの音を聞いてから、呼吸確保ま で約2分、救出までに1分という講評を聞いて、結構短い時間で出来たんだなと 思う、作業中はもっと長い時間掛かっていたと感じていた。 しかし今回のような比較的簡単なシチュエーションの事故なら1分以内に呼吸 確保しなればならないと指摘される。

その後3プログラムをこなし、終わったのはやはり夕闇迫る7時頃でした。

その後今回の講習のベースとなっている、「長良川・リバー・ベース」に戻り、3日間の成果を確認するための簡単なペーパー・テストを受けて、合格すると晴れて左のような”豪華な”SRT認定証、認定カード、認定ステッカーが授与されます。熱心に受講された全員が合格しました。一緒に受講させていただいたみなさんありがとうございました。そしてインストラクターのHIROさん、渡辺さん、矢野さん大変御世話になりました。


Rescue 3
連絡先:岐阜県岐阜市月丘町5-13(アウトドア・サポート・システム内)
     Phone : 058-248-4711 Fax : 058-248-4722
2002年講習日程表 
はこちらのREscue3・Japanサイトでご覧下さい。

『リバー・セーフティ』という項目の制作を思い立ってから数ヶ月、なかなか形にすることが出来ませんでしたが、やっと何とか一段落することが出来ました。まだまだ書き足りないところ、表現方法のわかりにくいところが多々あると思いますが、順次手直しをしていきたいと思います。どんな小さなことでも結構です、皆様のご感想やご指摘をいただけるよう願っています、ぜひご協力下さい。
この項目を完成させるにあったって、多くの方たちのご協力や助言をいただくことが出来ました、本当にありがとうございました。

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